インプラントとは
虫歯や歯周病などで歯を失ってしまった場合、すぐに歯の機能を回復させる必要があります。その際に注目を集めているのがインプラント治療です。
歯を失った部位の顎の骨に、チタン製の人工歯根を埋め込み、顎の骨と結合させます。その上から人工歯を装着することで、見た目や噛み心地を天然歯に近づけることが可能です。ブリッジや入れ歯に次ぐ「第三の治療法」として多くの方がご利用しています。
歯を失った際の選択肢として、インプラント以外にはブリッジや入れ歯が考えられます。
ブリッジは、比較的短期間ででき、保険を使えば安価にすみますが、両隣の歯を削るのが大きなデメリットです。また、部分入れ歯(義歯)も、周りの歯を使って装置を固定させるので、周囲の健康な歯にダメージをあたえます。また、違和感や管理の煩雑さがあります。
一方で、インプラント治療は、歯を失った部分の顎骨に人工歯根を埋め込むのが特徴です。そのため健康な歯を削る必要がありませんし、周囲の歯への悪い影響もありません。骨の量がしっかりと確保されていれば、インプラント体と顎の骨が着実に結合するので噛み心地にも優れています。
当院の特徴
特徴1. 歯科用CTを用いた正確な診断
インプラントを埋める際は、骨の中の空洞や走行する神経や血管などを正確に把握する必要があります。当院では歯科用CTによる撮影を行い、顎の骨の厚みや高さ、空洞や神経の位置を正確に把握できるようにしています。立体的な画像診断を行うことで、手術中の事故を防ぎ、より安全な治療が可能になります。
特徴2. デジタルシミュレーションとサージカルガイド
当院ではインプラント手術の際に、検査結果をもとにコンピューター上で、インプラント埋入部位のシミュレーションを行い、安全性、機能性等を考慮し、最適の場所を検討します。それをもとにサージカルガイドを作成し、的確な位置にインプラント埋入を行います。
特徴3. 徹底した感染予防対策
当院では院内で別の病気に感染してしまう院内感染を起こさないよう、感染予防対策を徹底しています。歯科医師や歯科衛生士が使うグローブ(手袋)やマスク、ガウン(手術用の着衣)、手術器具を置くトレー等、道具は全て使い捨てにしています。
また、手術に使用する器具で使い捨てにできないものは、消毒・滅菌を徹底しておこなっています。滅菌機は、最も厳しいとされるヨーロッパ基準EN13060のクラスB規格の滅菌システムを導入しています。衛生的でより安全なインプラント手術をご提供いたします。
インプラント治療の流れ
1. カウンセリング
(相談および問診)
インプラントの説明、その他の治療法との比較をご案内致します。今の口腔内の状態について不便を感じていること、これから望むことをできるだけ詳しくうかがいます。
インプラント治療にはさまざまな方法があります。状態により治療回数、期間が変わってきます。総合的に検討したうえで患者様にあった治療計画を立てていきます。
2. 診査・診断
(治療方法の説明と選択)
レントゲン、CT、咬合診査などを行い、精密に検査を行います。コンピューター上でシミュレーションを行い、インプラントの埋入手術が可能かどうか、どの位置に埋入したらよいかなどを検討します。精密な診査と正確な診断が、より良い治療結果をもたらすことにつながります。診査・診断の結果から、ご希望を踏まえて基本的な治療方針を決めていきます。治療に関する費用についてもお伝えします。内容を十分ご説明した上で治療を進めさせていただきます。
3. 一次手術
(インプラントの埋入)
術前のシミュレーションに基づき、サージカルステントを用いインプラントを埋入していきます。手術時間は1本あたり60分前後です。麻酔が効いているので手術中に痛みを感じることはありません。
埋入した後は、インプラントが骨としっかり結合するまで、3ヶ月~6ヶ月ほど待ちます。
4. 二次手術
インプラント周囲の歯肉の状態がインプラントの長期安定性に大きな影響を与えます。歯肉の状態によっては、整えるための二次手術を行うことがあります。
5. 上部構造印象
埋入したインプラントに歯冠部分を造るための型どりをします。
完成したら人工歯を装着し、治療は終了となります。
インプラント治療のメリット
メリット1. 周りの歯の負担を軽減できる
ブリッジ治療は隣り合う歯を削る必要があります。また、ブリッジをかける歯には大きな力学的な負担がかかります。
部分入れ歯の場合は、バネをかける歯に負担がかかってしまい、歯の寿命を縮めてしまいます。
一方でインプラントは単独で歯を再建するため、他の歯に負担をかけません。将来多くの歯を残していくためには、他の歯に負担をかけないことは大切なことのひとつです。
メリット2. 咀嚼力
インプラントは噛む力を天然歯近くまで回復できます。ブリッジは支える歯によって咀嚼能力が左右されます。部分入れ歯・総入れ歯は天然歯と比較すると咀嚼力は大幅に劣ります。
特に総入れ歯の咀嚼力は、天然歯の25%程度であり、大幅に咀嚼力が低下してしまいます。
メリット3. 審美性
インプラントは審美的に優れていることも大きなメリットのひとつです。
保険適用のブリッジでは歯の色の再現は難しく、部分的に金属色が見えることがあります。入れ歯の場合は入れ歯を固定する金具が見えてしまったりするケースがあります。インプラントの人工歯部分にはセラミックやジルコニアを使用するため、天然の歯のような自然で美しい歯を再現することが可能です。
インプラント治療のデメリット
デメリット1. 治療期間
治療期間がブリッジや入れ歯と比べて長くかかることがあります。
インプラントはあごの骨にインプラント体を埋め込んで、骨に定着するまで経過を見る必要があります。定着して治療が終わるまでには、およそ3〜6ヶ月もの期間が必要です。
一方で、ブリッジの治療期間は1〜2ヶ月程度、入れ歯の治療期間は1ヶ月程度になります。
デメリット2. 清掃・管理
インプラントをした歯は定期的にメンテナンスしなければなりません。インプラントは顎の骨とは強く結合しますが、歯肉とは結合しにくいため天然歯より感染に弱いという特徴があります。管理が悪いとインプラント周囲炎という歯周病のような病気になることもあります。
もちろん義歯、ブリッジ、天然歯でも定期的なメンテナンスは必要ですが、インプラントはよりしっかりと管理を行う必要があります。
デメリット3. 費用
インプラントは自由診療の治療になります。健康保険が適用にならず、治療費が保険治療に比べ費用が掛かります。
インプラントが難しいケース
インプラントを埋め入れる顎の骨のスペースが必要で、骨が薄い場合は、骨を増やす外科手術が必要となることがあります。
その他、生活習慣でインプラントが難しくなるケース
インプラント治療は全ての方にできる治療ではありません。重度の糖尿病や骨粗鬆症の方はインプラント治療をしてもインプラントと骨が付かなかったり、治療後に歯肉や骨が治りにくかったりします。
治療に関してご不安がありましたら、お気軽にご相談ください。
インプラント治療費について
インプラント埋入
治療費 | 275,000円 |
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上部構造
治療費 | 165,000円~ |
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骨造成
治療費 | 5,500円~ |
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※料金は税込価格です。